NISA導入の理由

 

一般の小額投資家からみるとNISAは魅力的ですよね。NISAの内容をおさらいしてみると、株や投資信託の値上がり益、配当金・分配金が非課税対象となり、その非課税投資枠は毎年最大100万円であり、ただし翌年へは繰り越しができません。期間は5年間となりますが、途中で売却すれば非課税枠の再利用ができなくなります。

 

投資総額は最大500万円、毎年100万円の非課税枠設定が、2014年から10年間できます。ちなみに20歳以上であれば口座資格者となり、シニア専用ということではありません。NISAの投資金額は年間上限100万円であっても、非課税になる配当、譲渡益の限額はありません。

 

こうしみると、やはりお得であり、投資への関心も高まっていくと思います。ではどうしてこのような制度の設定をしたのでしょうか?

 

そのひとつは、将来への備えとなる資産づくりの促進です。現状では金融資産ゼロ世帯が急増しているという問題があります。つまり、将来の老後の生活に向けた金融資産(預貯金、株・投資信託・保険)などを全く持っていない世帯が急増しているということです。このNISAという制度の導入は、これをきっかけに、若い世代のうちから将来の資産形成を意識してもらおうという狙いがあるのです。

 

そのうえで、経済成長のためにも家計金融資産を有効活用したいという狙いもあります。現在でも、一般家計が保有している日本の金融資産は1500兆円もあるのですが、その中でも預貯金が半数以上となっており、他国より比率もかなり高くなっているのです。こうした貯金を投資へ回してもらいたいと考えているわけです。

 

こうして経済が成長していくことで家計も共に潤えばいいという考え方です。上手くいけば、投資につなげる好循環を期待できます。こうしてNISAが設定されたわけです。