投資のコツ

 

ここまで話を進めてきましたが、さて実際にNISAを上手に運用する、いわゆる初心者の投信積立のコツとはどんなものなのでしょうか?まずは、各人の金融資産利用可能金額をよく考慮して運用方針を検討することが重要です。

 

ようやく退職金ももらい、さあそれを増やそうと投資を始めるのはいいのですが、失敗して資産を減らしてしまったらそれこそ非課税のメリットどころではありません。自分の投資リテラシー(理解・解釈・分析)は絶対に必要です。

 

既に投資経験がある人の株式投資なら、ETF(Exchange Traded Funds)の値上がりを狙うのも有効です。証券取引所に上場して指標(株価指数など)への連動を目指す投資信託がETFです。投資経験が初めてで慎重にいきたいなら物価連動国債ファンドの方がいいでしょう。通常固定利付国債なら発行時元金額は償還時まで不変で、利率も全ての利払いが同一です。

 

これと物価連動国債の違いは、元金額が物価動向によって増減する点です。物価が上昇すれば元金額も増加するわけです。利払いは年2回で、利子は各利子支払い時の想定元金額に表面利率をかけて支払われます。

 

日本の株の購入で配当利回りや株主優待を期待するのもいいでしょう。実は、株価が値上がりする勝負よりも安心感があります。もともと値動きが比較的大きい株式ですが、株主優待や配当利回りという点で選べば、リスクが実際には軽減されたのと同じようなものです。ただし、銘柄選びは優待内容を確認するようにした方がいいでしょう。

 

定期的な収入という面を重視するなら、毎月分配型ファンドというのもあります。特に再投資を意識しないシニア世代では利用する価値があると思います。中でも、基準価額の変動が小さい投資となる「外国債券ファンドの為替ヘッジあり」などがいいかもしれません。

 

そもそも、NISAであっても損をしたら意味がありませんから、勝ち逃げでもいいからとにかく勝つということに拘ってください。口座は1年単位ですから、もともとそうした性格なのです。

 

低位株やレバレッジ型ETFでハイリターンを狙うという作戦もありますが、短期なのでリスクは高くなります。中長期勝負なら、東南アジア、ロシアなどのファンドも狙いとなるでしょう。老後を意識したNISA投資ですが、何より、短期で利益を目指すという点を強く意識してください。